*実生法
種を蒔いて増やす方法を実生法といいます。
バラは種をまいて増やす方法は、あまり一般的では有りません。
交配して増やすとき等に用いられます。(交配の様子)
実が赤く色着きはじめた10月から11月に採取して、冷蔵庫などでビニール袋に入れて乾燥させない様に保管しておきます。翌年3月に成ったら種まきをします。
バラの果実を割って種だけを水に浸します。浮いた種は発芽しないので除きます。
10cm程の高さの鉢か箱に、赤土か畑土に山砂とピートモスあたりを混ぜて、保水性と透水性を良くします。7,8cm程度に土を入れ潅水します。
4〜5cm四方に一粒の感じで種をまき、まいた上に数mm程度かけ土をして、水をやります。
温度が下がらないように新聞紙やビニールで覆い、出来るだけ10度以下に下がらない所で管理します。表面が乾いてきたら、水をやります。2ヶ月ほどで発芽してきます。
*接ぎ木(写真入での説明はクリックしてください)
バラの増やし方の最も一般的なやり方で、発芽して一年目のノバラの台木と、一年目の直径が7,8mmの枝を使用します。
台木は休眠期に入っていないものを、接ぐ枝は、休眠している物がポイント。接ぎ木の時期は、休眠期に入っている枝が有る頃なので、12月から2月頃が時期になります。
台木の根を綺麗に洗い、枯れた物や病気が無いかを確認します。地上部を切り取り、端から2,3mmのところを2cmほど切り込みます。
穂木は2つ程芽のある5〜7cm程の物を用意し、接ぎ口は斜めに切り落とし、とがった側の枝の皮を2cmほどそぎ取ります。穂木のそぎ取った側を、
台木の切り込み分部の内側に合わせさし込み、接ぎ木用のビニールテープでしっかり巻きつけ、接着剤で止めておきます。
水を湿らせたミズゴケで根を巻きつけ、ビニール袋で密閉して、10度以下に下がらない所で、つるしておきます。上手く着けば2週間ほどで芽が膨らんできます。
芽が2cmくらいに成ったら、鉢に移します。
乾燥に注意することと、急に寒いところに出さないようにしましょう。
*挿し木(写真入りでの説明は、クリックしてください)
接ぎ木と比較すると、成木に成るのに時間がかかります。バラは挿し木しやすい植物で、挿す枝さえ間違わなければ、2週間ほどで発根して新しい枝が出始めます。
挿し木に良い枝は、花が咲き終わった後の新しい芽の出ていない枝が適当です。未熟で柔らかい枝や、葉の落ちた古い枝は接きにくいです。
5枚葉の3つ付いた枝を用い、一番下の葉は取り除き、2,3時間水を吸わせる。枝の下を斜めに切り落とし、葉からの水分の蒸発を抑えるために、
葉を半分に切ります。2,3cmを土に差し込みます。
土は鹿沼土が一番良いようです。十分に潅水し挿し木します。表面が乾きだしたら水を与えます。およそ1ヶ月ほどで鉢に移して育てていきます。
挿し木の出来る時期としては、挿し木に適した枝の有る5月から10月頃までが出来ます。2ヶ月程して、新しい葉がしっかり出てきた頃に、
植え替えて一般の管理をしましょう。
*芽接ぎ
春に芽の出たノバラの台木の太さが7,8mmくらいになる、8月から10月頃が芽接ぎの適期です。
台木が細すぎると芽着きが悪いし、気温が低く成り出す頃は、皮が上手く剥げなくなります。
台木の根元を数cm掘り出して、横7,8mm、縦2cm程のTの字に表皮をナイフで切り込み、へらなどで表皮をはがします。穂木は花の終わって、芽が動き出していない物を 2cm程ナイフでそぎ取り、台木のT字に切り込んだ部分にしっかりはめ込む。
ビニールテープで、芽ごとしっかりと留めます。2週間ほどして、芽が緑色で有れば活着しています。
12月までそのままにして、堀り上げ、地上部を切り取り、根を整理して鉢に植え替えます。
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